2011年12月16日金曜日

ひとつきなんぼ

亮介は考えていた。一杯一○○○円のバーへ行き、二人で八○○○円程酒を飲み、ホテルへ行った。ホテル第は全額払ったから、七○○○円。今日この女に総額一万五○○○円使ったことになる。かなり酔っぱらっていた俺は、一度しかセックスをしていない。かなり酔っぱらっていたから、おそらく射精も早かったろう。五十回も突いていない。そうなると一万五○○○円÷五十突き=三○○円/一突き 一突きに三○○円払っていたことになる。そう考えるとラッキーストライクは二十本で四百四十円だから、煙草というのはなんと安い棒であろうか。それに比べて俺の相棒ときたら!誇らしい気持ちになりかけたが結局金を払っているのは自分なのだと云うことに気づき嫌な気持ちになった。
 この一万五○○○円を他の事に使うとしたら俺は何に使ったろうか。服か、いや、容姿の美化に使うならそれは女にくれてやるのと変わらない。食べ物にしたって、一晩で一万五○○○円など、あほらしい。ふぐでも食うのか。となるとやはり、酒と女に使うくらいしか結局あてがないのだ。一突き三○○円、なんて贅沢なんだろう。再び自分を誇りに思った。