2012年3月17日土曜日

いつも自殺未遂ばかりしている。未遂といっても、自宅で首吊りの途中発見され病院に担ぎ込まれて運悪く助かってしまったとか、いわゆるそういった格好のいいものではなく、自ら首を絞めて三分、途中で頓挫してしまうのであった。思えばいつもいつも中途半端、何かをやり遂げた事など一度もない俺が、しらふのままで自殺なんぞ大層なものを完遂出来る筈もない。まったく、せっかく親がつけてくれた達郎と云う”物事を成し遂げる、達成する”という名前の期待にこたえられず自殺すら遂げられない。変な話だが頭の中では”自殺出来ないままでは親に申し訳が立たない、なんとしてでもこの命だけは絶たねばならぬ”と考えて、今回は酒を浴びるように飲んだ挙句、風邪薬と酒を同時に服用すると”飛”べるというので薬瓶の中の風邪薬をまるまる飲み、ふらふらの状態で首吊りに及んだが酔った勢いで遂行前に祐希に電話してしまい”今すぐ来ないなら死んでやる”等とのたまった挙句息の根の止まる五秒前にかかってきた祐希の電話に出てなんとか思いとどまってしまったのである。
街に出れば誰もが俺を馬鹿にしている。俺はいわゆる”サトラレ”で、周りの奴は俺の心の中が見て取れるらしく、歩けば”心の腐った男が街を歩いている、何様のつもりだ、何様のつもりでその横断歩道の上を歩いているのだ、そこは白線ぞ、お前のような腹黒い男が歩いていい場所ではないのだ”と視線をなげかけてくる。